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PRODUCTION NOTEプロダクションノート

多重人格を別々の女優が演じ分ける
大胆な試み

多重人格を別々の女優が演じ分ける大胆な試み

本作の制作面での最も特徴的なものは、多重人格それぞれの人格を別々のキャストが演じているという点。これは、一人の俳優が複数の人格を演じ分けるオーソドックスな多重人格モノから離れることで、人格同士が会話し、絡み合うといった表現が可能になりより豊かになるのでは、と中田監督が決断して実現をした。その結果、他に類を見ない濃密な人物描写が実現した。

人格を演じ分けた女優陣の熱演

本作で中田監督と再タッグを組んだ飛鳥凛。主人公のキョウコを演じ、多重人格者で秘密のある女という難役を見事に演じきった。隠された人格の役では、メイクや瞳の色も変えて別人になりきり、観客を幻惑する。大島正華は、主人公に熱情をぶつける重要な役どころを大胆な性描写も辞さず体当たりで熱演、松山愛里は奔放な女を真っ赤な衣装と共に情熱的に演じた。また、幼児の人格を表す女を演じた中谷仁美は、子供っぽさの中に狂気を秘めた芝居で存在感を示している。

ベテランの存在感

ベテランの存在感

主人公・キョウコが惹かれる作家・田島を演じた水橋研二。4つの人格に翻弄されながら、危険を承知で愛に突き進む誠実な男を演じ、熟練の芝居で映画の要を担った。クライマックスの性愛シーンでは、男性一人で3人の女性を相手する体力勝負ともいえる芝居を見事に演じきった。キョウコの母親役の根岸季衣は自ら、衣装の感じや、たばこ、サングラスといった小道具を提案。歩き方や死に顔まで子細に考察、派手で荒んだ母親像を作り上げた。

入念に準備された性愛シーン

人格同士が愛撫し合い、男性との性愛シーンも複数の人格が複雑に絡み合うという本作の見どころの一つでもある性愛シーン。中田監督も、いかに妖艶に且つダイナミックに性愛を見せるかに、入念な準備を行った。限られた撮影時間の中でも効率的にできるように、事前にスタッフや代役を使ってビデオコンテを作成。様々なパターンを検証、本番に臨んだ。

部屋の美術トリビア部屋の美術トリビア

部屋の美術トリビア部屋の美術トリビア

キョウコの部屋にはよく見るとロシアの民芸品マトリョーシカが置いてある。マトリョーシカは大きさに分かれていくつもの人形が入れ子になっているものだが、キョウコの人格が現れる数によって、マトリョーシカも飾られる数が違っている。こうした細かい遊びがシーンを充実させている!?